第59回国立病院総合医学会(会長 佐治文隆:呉医療センター)が2005年10月14日、15日の両日にわたり、 広島国際会議場を 中心に開催されました。独立行政法人国立病院機構、国立高度専門医療センター、ハンセン病療養所の病院 職員が一同に集う本学会のメインテーマは「あらたなる旅立ち〜チームで取り組む医療の質の向上〜」。 ティーメディクスでは、特設のプレゼンテーションステージと展示ブースにて、医療の質の確保 と効率化を両立する「新発想の診療、経営改善プログラム」をご紹介させていただきました。 独立行政法人化、DPC時代を向え国立病院では経営の転換が迫られています。 こうした現状を反映してかティーメディクスのプレゼンに多くの医療関係者の皆様に参集戴きました。 このたびその内容を小冊子に致しましたので、医療関係者各位におかれまして、業務改善の一助になれば幸いです。

    

  ■新発想の「診療・経営改善プログラム」
■内視鏡関連機器の症例課金プログラム VPP
■リュース品の定期点検サービス
■診療情報モニタリングシステム
■IE解析プログラム
 
   
体質改善は喫緊の課題

 

昨今、第5次医療法改正の報道が新聞紙上を賑わせています。また、平成18年の診療報酬改定をひかえ、 経済財政諮問会議からは「診療報酬の2−5%のマイナス改定」という案が示されています。 平成15年の病院経営実態調査報告によると、国立病院機構の医療利益はマイナス3.7%と報告されています。 仮に来年度の診療報酬改定で、マイナス5%が実行された場合、国立病院機構では約10%近い赤字を強いられることになり、 深刻な経営ダメージを受けることになります。
現在、こうした動向への取り組みは全国医療機関で喫緊の課題となっていますが、まず、各施設で様々な事柄について現状を把握することが重要です。 そして急速に変化する環境に対応すべく、体質を改善していかなければなりません。つまり、収益を確保しつつ効率性を向上させ、 且つ医療の質を低下させないということです。

 

医療の質を確保しつつ効率化を図る、これは相反するテーマと言えますが、 この実現が将来の医療動向を展望したとき、医療機関が生き残るための必須条件となるのです。

内視鏡下手術における医療機関の抱えるジレンマ

 

先般、医療業界の有力誌であるJapan Medicineは、多くの医療機関が医療モラルと医療経営のジレンマに 立たされていることを示す象徴的な記事を報道しました。 鏡視下手術では多くの医療材料や消耗品が使用され、胆嚢摘出手術ではその材料費が収入の 50%以上を占めることもあります。この手術で使用する材料はシングルユース品も多いわけですが、 同紙では、このシングルユース品を再生使用してしまっているケースが全国で90%以上もある現状を報道しています。 残念ながら、このシングルユース品の再生使用は、

 

効率を優先し安全を犠牲にしている面が課題として指摘できます。 当然のことながら、「質を確保しつつ患者様にとって安全な医療を提供しなければならない」 と言う医療の基本理念を鑑みた場合、医療提供側はこのような現状の改善に向けて取り組んでいく必要があります。 私どもティーメディクスは「医療の質を確保しつつ効率化を図る」ことを最大のテーマとしています。 具体的には、経営改善プログラムという形で医療機関の皆様と一緒に問題解決の糸口を発見し、その是正を促進してまいります。 本日はその一例として以下のメニューをご紹介します。


 

  一括購入とも違う、リースとも違う。
VPPはまったく新しい医療機器導入プログラムです。
 

 

一つ目は症例課金プログラムです。Value Per Procedureという名称で、その頭文字をとって VPPと呼称しています。昨年の春より市場導入05年9月末現在で急性期病院を中心に全国で 約120施設にご採用いただいています。
本プログラムの最大の特徴はイニシャルコストをかけずに最新機器をご使用いただけるという点です。 仕組みは単純明快で、まず、ご採用いただく機器の総コストを契約期間である5年間の総症例数で割り、 1例あたりの単価を導き出します。そして、その単価をご使用していただいた分だけ毎月お支払戴くというものです。
一般的にリースは固定費とみられますが、このVPPは症例に紐付く変動費となります。例えばリースの場合、 症例(手術)が発生しなくとも一定のコストがかかります。VPPは症例数に連動してコストが発生しますので、 極端に言えば当該月に手術が全くなかった場合はその月の請求がないことになります。また、 内視鏡機器は大変精密な機器ですので経時的な劣化は避けられません。長年使用する過程では修理コストや修理に 伴う代替品が必要になりますが、VPPはこれらを全て包括した形で提供するプランとなっています。 つまり、修理コストや代替品コストも含め、1症例に対して設備投資をしていただくわけです。 加えて常に最新機器による良質な医療を患者さんにご提供できるわけですから、そのメリットは非常に高いと考えられます。

 
鏡視下手術機器ES-VPPのサービス

 

次に鏡視下手術のエンドサージャリー(ES)のVPP症例課金プログラムです。増件を含めご施設の希望や実態を考慮したうえで、 手術室に必要な内視鏡台数、手術器具、消耗品等を一括してご提供します。各診療部門の診療行為別の手術件数実績に診療報酬を 掛け合わせ、現状の収入を計り、将来的な増件のご希望を考慮して、一例あたりの単価の20%〜30%以内の支出で収めるようプランを まとめます。つまり、収益が確実に確保できることになるわけです。


 

  医療の質を損なわず、効率化を実現します。  

加えてオプションとしてご用意しているのが「定期交換リプロセスVPP」です。これは鉗子等のリユース品を メーカーの工場に引き上げて、品質点検、消耗品交換、交換部品レベルの履歴管理等を施してお戻しするというプランです。 一般的にリユース品はディスポ品に比べ点検や品質確認などに手間がかかります。病院内でその点検をしようとすれば、 大きな負担となってしまうこともあります。その作業を一括して行うのが「定期交換リプロセスVPP」です。
ES定期交換リプロセス工程  

 
ハサミ鉗子を例に挙げ点検内容を紹介します。 @引き上げたものをまず「分解」します。 A次に鉗子の「把持力点検」を行います。 B「剥離力の点検」を行い、品質が規格レベルをクリアしているかを点検します。 C最後に通電と切れ味の点検を行い問題がないということを確認したうえでご施設に戻します。 ハサミ鉗子はハンドル、シース、ハサミの三つ部品から構成されていますが、 これらの部品にはそれぞれレーザーマーキングが施されており、それをレーザースキャナーで読み込むことにより、 使用回数の管理も部品レベルで行います。一般的にリユース品はディスポ品に対して標準価格は高いのですが、 仮に100,000円の商品を10症例使用すると、10,000円が症例あたりのコストとなります。 本サービスは、ディスポ品に対し安価に、且つ、医療の質は確保したうえで、効率化に貢献できる商品であると考えています。  

 

  疾患別原価を効率的に可視化  

DPCの導入により、疾患別の原価管理のご要望が急性期病院を中心に高まっています。この要望にお応えするのが 「診療情報モニタリングシステム」です。 まず、PCサーバーをご施設の手術室のナースステーションに設置させていただくことから始まります。 各手術室では看護師がハンディーターミナルにより、実際に手術に使用した薬剤や材料などをバーコード入力します。 この作業により診療における全ての情報が蓄積・可視化できることになります。

1症例あたりの収支をWeb環境でリアルタイムに閲覧  

この情報はWeb環境でリアルタイムに閲覧できます。右図はWeb配信で胆嚢摘出術1例の損益を検索した画面です0 。「いつ」、「どの患者さんが」、「どの術式で」、「そのときの医事明細はどうなっているのか」、また、 「収入はどのような形になっているのか」を計ることができます。手術に使用した医療材料や薬剤の価格、 病院で採用している診療金額、人件費に関しては予め医師、看護師、技師の人件費を登録しています。 それらを合わせることで、一例あたりのコストが算出されます。

様々な解析レポートのご提供  

【費用の把握】
また、ご施設の希望によりこのデータを用いて様々な解析レポートを提供しています。右図は病床数500床の急性期病院で、 年間で胆嚢摘出術が123例行われたときの費用を解析したものです。 費用を人件費、薬剤費、材料費で分類し、123例において1例毎にかかった単価のバラツキを見ています。 ここで指摘できることは材料費が全体費用の63%も占めているという点です。同一の術式で材料費を見てみますと 1例あたりにかかる単価に大きなバラツキがあることも分かります。この部分での改善策の提案についてはさらに解析を深め、 並存症の有無や医師の習熟度を考慮しなければなりませんが、この解析レポート結果は少なくとも施設の標準化への取り組みの 一助となると考えています。

【手術室利用状況の把握】
一方、Web配信で各手術室の1週間の稼動状況をグラフにまとめて提供するサービスも行っています。 右図のケースでは、手術室が10室あり、当該週において手術室の5番、7番、8番は未稼働であったということが確認できます。 さらに3番、4番、6番の手術室では終了時間の17:00を過ぎても使用されていたことが分かります。これにより 17:00以降手術が延長され残業が続いたということが確認できるわけです。施設によって様々な背景があるかと思いますが、 このようなデータを活用することにより、より良い方向へと手術スケジュールの改善が図れるのです。

このように「診療情報モニタリングシステム」では副次的データも創出されます。ただし、基本的には、データを客観化する ITツールにすぎません。つまり、データを定量化し、1例あたりの単価や手術室の稼働率などは確認できても、 それはあくまで数値から見た一方的な見解であり、施設個々の定性的な事情は十分反映されていないということです。 従って、このITツールを活用し、課題の仮説を立てたうえでさらに実地調査を実施し、より実態を把握する必要があるのです。


 

 

その実地調査を本格的に支援するプログラムが「IE解析プログラム」です。IEとはインダストリアル・エンジニアリングの略であり、 主に製造業で実施されている生産工程解析の優れた手法です。この手法を医療現場の解析に取り入れるわけです。 「人」「機械」「材料」「方法」をカテゴリーとし、これらにかかる工程を専門のIEエンジニアが医療現場にて実測します。 これにより「現状の把握」、「課題の発見」、「解決策の提案」を行うものです。以下500床の民間病院での実例を紹介します。

 
〈民間病院(500床)での実例〉  
手術件数の増件のために…




当施設では将来的に手術件数を増件したいという要望がありました。そこで「その可能性があるのか」、 また「どこに目標設定をすればそのフィジビリティーがあるのか」ということを分析します。 まず、「特定期間の入院待機の患者さんがどの程度いらっしゃるのか」を分析しました。 次に手術件数の推移、病床利用率、手術室の稼動率の把握です。手術台帳や実地調査によってこれらの数値を算出します。 また、看護師の人数の推移なども数値化し、増件ためのフィジビリティーを検証します。

解析で何が分かるのか
@「入院待ちの患者数の解析」では、待機患者のうち入院日が決定していない患者が 60%に達し、 常時、約260名の入院待ち患者が存在していることが判明しました。 A「1ヶ月間の日毎の手術件数と手術時間の推移」では、調査期間1ヶ月の中で手術件数、 手術時間ともに最大2倍の開きが あることが確認できました。 Bまた、病床利用率の推移を日毎に追ってみたところ、平均95%であり、非常に高い病床利用率を確保していることが判明しました。 Cそれでは手術室の稼動率は一体どうなっているのでしょう。当施設には手術室が11室あります。 稼働率は午前9:00から午後17:00までの 総時間である480分を100%とし、実際に使用された時間をあてはめて算出しました。 その結果、平均36%という稼働率であることが分かりました。
目標の実現に向けた的確な仮説を設定  

以上の解析結果から「増件ための目標」として以下のような仮説を設定しました。『まず、病床利用率は95%であり非常に高い。 課題はこの病床利用率95%を維持し、いかに在院日数を短縮するかにある。すなわち現在、平均在院日数である17日を14日まで 短縮することが増件のための必須条件と言える。在院日数14日を実現するためには、第一に手術待ち患者を減少させ、 手術件数の増加に努める必要がある。これは手術室の稼働率を現在の36%から44%へと向上させることにより、結果として 月あたり89件の手術件数増、同時に病床利用率95%も維持できると推測される』。仮にこれが実現すると、 手術1件あたり平均20万円とすれば、 月に約1,800万円、年間で約2億1600万円の収入増という計算になります

仮説から浮かび上がる課題を、掘り下げて解析  

ただ、ここで問題となるのは手術室の医師、看護師数が充足しているかということです。これについても実地調査で確認させていただきました。 看護師の業務内容と要員の充足度を1日の手術室における動きから推測(9:00〜17:00までの480分間で看護師1人に対し測定)した結果、 44%の稼働率の確保するためには34名の看護師が必要という結果が出ました。当施設の看護師要員は26名です。 つまり、手術室の稼動率を 36%から44%に引き上げた場合、8人の看護師が不足するという仮説が浮かび上がってきたのです。 そこで、さらに解析を掘り下げ、各看護師の業務内容を検証してみたところ、実際に手術に携わっている看護師は13名、 それ以外の準備や片付けにあたる看護師は9名、物品管理等の周辺業務に携わっている看護師が12名いることが分かりました (業務を兼務する方もいます)。 ここで一つの提案として「看護師本来の業務に専念していただくことで、 この稼動率44%を実現できないだろうか?」といったことが 出てきました。つまり、看護師以外でできる準備、 片付け、物品管理の業務を他者に委ねることにより、不足する8名の要員を補うことが できないか、ということです。 これを結論付けるには一層の解析と検証が必要になりますが、少なくとも業務の効率化を図るうえで、 この提案は根拠のある指針となるでしょう。


他施設との比較検討で自施設の現状を適切に把握  

右図は当施設の結果を他施設(同等クラス)と比較検討したものです。これにより当施設がどの位置にあるかを把握することができます。 手術室の数と年間症例数の関係は他の施設と同等で大きな有意差はありません。ただ、先ほどの解析結果でもありましたように、 年間の手術件数とそれぞれの手術室の稼働率に大きな課題があるということが認識できます。やはり当施設の当面の課題は現状の36%の 手術室の稼働率をいかに44%に近い形に持っていくかということです。このことが他施設との比較検討により裏付けられました。

 

以上、弊社が提案する商品の概要をご紹介させていただきました。
かつてないスピードで変化する医療経営環境。貴院の体質改善を真剣に考える時代が到来しています。私どもは、医療機関に 「医療の質を確保しつつ、いかに効率化を図っていただくか」をミッションとしています。そのために病院様のスタンスに立った 真に実りのある提案を様々な形で行ってまいります。

本内容に関する資料請求、またはご質問・ご意見等がございましたらinfo@tmedix.comまでご連絡下さいますようお願い致します。